満足度アンケートを実施している医院では、「選択式の回答は集まるが自由記述が少ない」「評価点は入るのにコメント欄が空欄になる」と感じることがあります。自由記述には患者さんの本音や具体的な改善点が含まれることが多いため、少ないと物足りなさを感じることもあるかもしれません。
しかし、自由記述が少ないからといって、患者さんが何も感じていないわけではありません。むしろ、本音があっても書かれていないケースは少なくありません。
本記事では、満足度アンケートで自由記述が少ない理由について整理し、本音を引き出しやすくする考え方を解説します。
満足度アンケートで自由記述が少ない理由
書くこと自体に負担を感じている
自由記述が少ない理由の一つは、単純に「書くことが面倒」と感じていることがあります。
・文章を考えるのが大変
・入力に時間がかかる
・何を書けばよいか分からない
・急いで帰りたい
このような状態では、内容があっても空欄になることがあります。
また、選択式であれば数秒で終わる内容でも、自由記述になると考える時間が必要になります。
特に診療後は疲れていたり、次の予定があったりすることもあります。
自由記述が少ないのは、意見がないからではなく、負担が大きいこともあります。
悪いことを書きにくい心理がある
患者さんは、本音を持っていても書かないことがあります。
・スタッフに悪く思われたくない
・気まずくなりたくない
・クレームと思われたくない
・今後通いにくくなりたくない
このような心理が働くことがあります。
また、長く通っている医院ほど、「関係性を悪くしたくない」という気持ちが強くなることもあります。
そのため、少し気になっていることがあっても、「まあいいか」と考えて書かないことがあります。
自由記述が少ない背景には、人間関係への配慮も存在しています。
「自由に書いてください」では書きにくい
自由記述欄でよくあるのが、「ご自由にご記入ください」という形式です。しかし、この聞き方だけでは、何を書けばよいか分からないことがあります。
自由すぎる質問は、かえって答えにくくなるためです。
例えば、「今日気になったことはありましたか」「もっと良くなると思う点はありますか」「スタッフ対応で印象に残ったことはありますか」と具体的な聞き方をすると、回答しやすくなることがあります。
また、「改善のために参考にしたいので教えてください」と目的を伝えることも、本音を出しやすくする要素になります。
さらに、「良かった点」と「改善点」を分けるだけでも、書きやすさは大きく変わります。
重要なのは、「自由にしていること」ではなく、「答えやすく設計すること」です。
そこに本音を引き出すポイントがあります。
満足度が高い医院は書きやすさを設計している
自由記述が集まりやすい医院では、回答しやすい仕組みを作っています。
・質問を具体的にする
・入力負担を減らす
・回答目的を伝える
・改善結果を共有する
このような工夫があることで、患者さんも意見を出しやすくなります。
また、「書いても意味がある」と感じてもらうことも重要です。
以前の意見が改善につながっていることが見えると、「今回も書いてみよう」と思いやすくなります。
自由記述は、お願いするものではなく、書きたくなる環境を作ることが大切です。

まとめ
満足度アンケートで自由記述が少ない理由は、「何も感じていない」からではありません。
書くことへの負担や、人間関係への配慮、「何を書けばよいか分からない」といった心理的な要因が背景にあることがあります。
また、「自由に書いてください」という設計だけでは、本音を引き出しにくいこともあります。
重要なのは、「書いてもらうこと」ではなく、「書きやすい状態を作ること」です。
まずは、自院のアンケートを振り返り、「自由すぎて答えにくくなっていないか」「患者さんが書きやすい設計になっているか」を確認してみてください。
その見直しが、患者さんの本音の把握や患者満足度向上につながる大切な改善になります。
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