年初や年度初めに、「今年は売上○円を目指す」「新患を月○人にする」「自費率を○%まで高める」といった経営目標を立てている医院は多いでしょう。
しかし、その目標を数か月後にも確認しているでしょうか。
目標を立てたことに満足し、日々の診療が忙しくなるにつれて確認しなくなってしまうケースは少なくありません。これでは、せっかく立てた経営目標が単なる「年間スローガン」になってしまいます。
経営目標は、立てることよりも、実績との差を確認しながら定期的に見直すことに意味があります。今回は、医院の経営目標を立てっぱなしにしてはいけない理由について考えてみましょう。
医院の経営目標を立てっぱなしにしてはいけない理由
目標と実績の差を確認する
経営目標を立てたら、実際の数字と定期的に比較する必要があります。
- 売上目標と実績を比較する
- 新患数や患者数の推移を見る
- 自費率やキャンセル率を確認する
- 目標との差が生まれた原因を考える
例えば、新患月50人を目標にしているのに、3か月連続で30人前後だったとします。その状態で「もっと頑張ろう」と言い続けても状況は変わりません。広告、ホームページ、紹介、予約枠など、どこに原因があるのかを確認する必要があります。
目標は達成できたかどうかを評価するだけでなく、経営上の課題を発見するための基準でもあるのです。
達成できない目標を放置しない
目標を達成できていない状態が続く場合には、行動だけでなく目標そのものを見直すことも必要です。
- 目標設定に無理がなかったか確認する
- 前提となる経営環境の変化を見る
- 達成期限を見直す
- 必要に応じて目標値を修正する
例えば、診療時間やスタッフ数を考えれば月100人の新患を受け入れられないのに、「新患100人」を掲げ続けても意味がありません。反対に、想定以上に順調で早々に目標を達成したなら、次の目標を設定する必要があります。
目標を変更することは失敗ではありません。現状に合わせて適切な目標へ修正することも、経営管理の大切な役割です。
目標を見直すと「次に何をするか」が見えてくる
経営目標を定期的に確認する本当の目的は、数字を眺めることではありません。次の行動を決めることです。
例えば、「自費率20%」という目標に対して現在15%だった場合、単に「あと5%足りない」で終わらせるのではなく、なぜ伸びていないのかを考えます。説明するタイミングに問題があるのか、資料が不足しているのか、カウンセリングの方法に課題があるのかなど、原因によって取るべき行動は変わります。
そして、「今月は説明資料を見直す」「来月からカウンセリング方法を変更する」と具体的な行動へ落とし込みます。
目標と実績の差は、医院の問題点を教えてくれる情報です。その差を定期的に確認することで、「今、何を改善すべきなのか」が見えるようになります。
定期的に見直す仕組みをつくる
経営目標は、院長が思い出したときだけ確認するのでは長続きしません。
- 毎月確認する数字を決める
- 定期的に目標と実績を比較する
- 改善策と担当者を決める
- 次回に実行結果を確認する
例えば、毎月のミーティングで「目標→実績→差→原因→次の行動」を確認するだけでも、目標管理は大きく変わります。さらに、誰が、いつまでに、何をするのかまで決めておけば、改善策が話し合いだけで終わることも防げます。
目標管理を院長個人の仕事にせず、定期的に振り返る仕組みとして医院に組み込むことが重要です。

まとめ
医院の経営目標は、立てること自体に意味があるわけではありません。目標と実績を比較し、その差が生まれた原因を考え、次の行動を決めるために活用してこそ意味があります。
また、経営環境や医院の状況は常に変化します。年初に立てた目標が半年後にも適切とは限りません。達成状況を定期的に確認し、必要であれば目標そのものを修正する柔軟さも必要です。
目標を「一年後に答え合わせする数字」ではなく、日々の経営判断に使う道具へ変えていきましょう。
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