「スタッフにもっと主体的に動いてほしい」
そう考えて仕事を任せているのに、何かあるたびに「院長、どうしましょうか?」と確認され、結局すべて院長が判断している医院があります。
反対に、スタッフが自分の判断で進めた結果、「そこまで勝手に決めてほしくなかった」という問題が起きることもあります。
こうしたすれ違いの原因の一つが、責任と権限が曖昧なことです。
仕事を任せるのであれば、「何を任せるのか」だけでなく、「どこまで自分で判断してよいのか」「何について責任を持つのか」まで明確にする必要があります。
今回は、スタッフの責任と権限を明確にすることが、なぜ組織づくりに重要なのかを考えてみましょう。
スタッフの責任と権限を明確にするべき理由
責任だけ与えて権限がない状態をつくらない
スタッフへ仕事を任せるときは、責任と権限をセットで考える必要があります。
- 担当する仕事を明確にする
- 自分で判断できる範囲を決める
- 院長への確認が必要な事項を決める
- 必要な情報を共有する
例えば、「在庫管理は○○さんに任せる」と決めても、発注量や発注時期を本人が決められず、毎回院長の許可が必要であれば、実質的には任せたことになりません。一方で、金額に関係なく自由に発注できる状態も適切とは限りません。
「ここまでは自分で決めてよい」という範囲を明確にすることで、スタッフは安心して判断できるようになります。
権限が曖昧だと院長に判断が集中する
何をするにも院長の確認が必要な医院では、院長自身が組織のボトルネックになることがあります。
- 日常的な判断を現場へ任せる
- 判断基準をスタッフと共有する
- リーダーが決められる範囲をつくる
- 院長しかできない判断を整理する
スタッフから次々に確認を求められれば、院長は診療の合間にも細かな判断をしなければなりません。その結果、本来院長が考えるべき経営や人材育成などに使える時間が減ってしまいます。すべてを院長が決めることが管理ではありません。
適切な権限を現場へ渡すことで、院長は院長にしかできない仕事へ集中できるようになります。
「どこまで自分で決めてよいか」が分かれば人は動きやすい
スタッフが指示待ちになると、「もっと自分で考えて動いてほしい」と感じる院長もいるでしょう。しかし、スタッフ側からすると、「自分で決めてよいのか分からない」ということがあります。
以前、自分で判断したら院長から注意された。別のときには、「それくらい自分で考えて」と言われた。このような経験が重なると、スタッフは失敗を避けるために何でも確認するようになります。
必要なのは、「主体性を持って」と伝えることではなく、判断できる範囲を具体的に示すことです。
例えば、「この金額まではリーダー判断」「患者さんからこのような申し出があった場合は院長へ報告」など、基準があればスタッフは動きやすくなります。
主体性は、何でも自由にさせることで生まれるものではありません。自分が責任を持つ範囲と、自分で判断できる範囲が分かっているからこそ、安心して行動できるのです。
役割が変われば責任と権限も見直す
一度決めた責任と権限が、いつまでも適切とは限りません。
- スタッフの成長に合わせて見直す
- 昇格時に役割を再確認する
- スタッフ数の増加に合わせて変更する
- 定期的に権限の範囲を確認する
新人とリーダーでは、当然任せられる判断の範囲は異なります。また、スタッフ5人の医院と20人の医院でも、院長が直接管理できる範囲は変わります。医院の成長に合わせて役割を見直し、必要な責任と権限を少しずつ移していくことが重要です。
役職だけを付けて権限を与えない状態では、リーダーも十分に機能できません。

まとめ
スタッフの責任と権限が曖昧な医院では、「誰がやるのか分からない」「何でも院長に確認する」「勝手に判断したと言われる」といった問題が起こりやすくなります。
仕事を任せるとは、単に作業を渡すことではありません。何について責任を持ち、どこまで自分で判断でき、どこから先は院長へ確認するのかを明確にすることが必要です。責任と権限が一致すれば、スタッフは判断しやすくなり、院長への過度な集中も減らせます。
院長がすべてを判断する組織から、それぞれが自分の役割を理解して判断できる組織へ変えていくことが、医院の成長には欠かせません。
改めて確認してみましょう。スタッフに仕事だけを任せて、判断する権限は院長が持ったままになっていませんか?
弊社の「BSCチェックシート」では、医院経営を80項目から確認でき、その75%を無料公開しています。まずは自院の経営・組織体制をチェックしてみてください。
患者対応の基本を押さえる2シリーズ
患者対応はまず【基本】を押さえることが大切です。ここを押さえるだけで現場のばらつきは大きく減ります。


無料サービスのご案内
医院経営や組織づくりは、院長や一部のスタッフの頑張りだけでは続きません。
安定している医院には、判断の軸・行動の基準・全体像を俯瞰できる仕組みが整理されています。
弊社では、クリニックの基盤づくりに役立つ2つの無料リソースをご用意しています。
- 接遇5原則チェックシート
患者対応の基本を振り返り、スタッフ全員で共通認識を持つための実践ツール - BSCチェックリスト(75%公開版)
医院経営を「見える化」し、育成や組織改善の方向性を整理するための診断シート
どちらも日々のマネジメントや改善活動にすぐ役立つ内容です。
ぜひ下記から請求して医院でご活用いただき、安定した組織づくりにお役立てください。
▶ 「経営戦略」カテゴリの関連記事を探す
▶ カテゴリ検索・人気記事などコラムのトップへ戻る
グロースビジョンでは読み物として得た知見を、実際の医院改善に活かすための【無料ツール・サポート】をご用意しています。
先生の大切な1歩を支援します。お気軽にどうぞ。
接遇5原則チェックシート

接遇の基準をシンプルに可視化。
院内研修や個別指導に活用
満足度調査ツール 半年無料

満足度と改善点を数値化できる
E-Pサーベイが半年無料
BSCチェックリスト

医業収入UPの戦略マップづくりに
無料でも75%公開してます

